男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。1 -Time to Play-<上>

男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上) (電撃文庫)

僕は高校生にして電撃文庫で作家デビューを果たした。
執筆のため1年間休学した後、転入した高校で出会った彼女・似鳥絵里は新人声優で―僕の作品のアニメの出演者だった。
僕らは、学園内で自分の仕事を秘密にしているけれど、似鳥はクラスの人気者、僕は一人ぼっち…。
そんな僕らが会話を交わす唯一のチャンスは毎週木曜日、アニメのアフレコに向かう特急列車で、隣の席に乗り合わせるときだけ―。
よりよい演技のためにと、彼女からの作家業についての質問に答えていくうちに―どうしてこうなった?
これは、僕が、やがて意識を失うまでの、走馬燈のような、お話。

以前に買ったまま読まずに積んでた本。
あの『キノの旅』の時雨沢さんがまさかの長文タイトルラノベを出したということで話題になってた気がします。
出版が1年半前なんだけど、そんな前だっけ…? 時が経つのって恐ろしい。

キノの旅は高校生の頃にジャケ買いして、ずっと読んでました。
(僕の中でラノベといったらキノかダブルブリッド)
非常に読みやすくて面白い。あと、作者のあとがきも。
Twitterもフォローしてるけど、やっぱり作家さんだけあってか言い回しというか言葉遣いというか、楽しいです。

あとがきにネタバレを書かない、という宣言?をされていた方なので、今作はあとがきから先に読みました。
「ネタバレが書いてあったらどうしよう…?」というような心配をする必要が無いので、その辺りは安心。
(さっき書店で下巻を手にとってめくってたら、あらすじにネタバレが書いてあって衝撃。思い切り、警告!閲覧注意!みたいなのが書いてあったんですぐ閉じましたが)

さて今作。
ストーリーだけ聞くと「あーはいはい今時よくある感じのねー」って印象なんですが、読んでみるとやっぱり読みやすくて内容がスッと入ってきて。
主人公が書いてるラノベ『ヴァイス・ヴァーサ』も、ある日異世界に行ってしまってというこれまたありがちなストーリーではあるんだけど、読み進めていくうちに、その作品を読んでみたくなる不思議。
もちろん架空のお話なので、世界中どこを探しても読めないというのは悲しい。

まだ下巻を読んでないのでこの先の展開はまだ分からないですが、上巻はラノベ執筆についてと、出版に関する業界話みたいなのが中心で、特に大きな事件とかがあるわけではなく。
ラノベ版SHIROBAKOみたいな感じ。
僕が(勝手に)親近感を抱いている時雨沢さんが書いているからこそなのか、「ほー」という感じで入ってきた。

かつて応募してみようかと電撃大賞の募集要項とかを見てた頃を思い出しました。
結局応募どころかまともな執筆すらしないままだったけど…。
でも自分の中に創作欲ってのはあって、漫画なり小説なりサウンドノベルなり、何かしらの形にしてみたいなぁっていうのはずーっと心の奥底にあったりするんだなぁ。
これを読んでて、それをちょっと思い出せた感じ。

何度も言うけど、読みやすいんだ。
内容もすごくしっかりしてるから(上から目線)、長文タイトルっていうことで敬遠してる人とかでも、一度読んでみたらいいんじゃないでしょうか。
僕ぁ下巻を買ってきたので今から読みます。

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