どちらかが彼女を殺した (講談社文庫) 講談社 1999-05 by G-Tools |
推理小説を読もうと思って買った本。
タイトルからして殺人事件+推理ってのが一目瞭然!
ミステリーとは違うと思うけど、うみねこに出てきたノックスの十戒と照らし合わせてちょっと考えてみます。
――――――――――――――――――――
まずこの小説の話から。
主人公は愛知県の豊橋警察署に勤める男。
ある日東京で会社勤めをしている妹から不審な電話があって、
その後は音沙汰なく、心配になって東京の妹の家まで行くと、
ドアには鍵が掛かってて、部屋には妹の死体。
警察は自殺として処理。
でも主人公は殺人だと確信していて、犯人を捜す。
最終的に、妹の友人と、その友人の彼氏の二人に絞られる。
どっちが犯人か、っていうお話。
ノックス第1条。犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず。
友人と彼氏のどちらかが確かに犯人でした。
いきなり終盤で出てきた人間が犯人なんてことはなく。
ノックス第2条。探偵方法に超自然能力の使用を禁ず。
主人公は交通事故の処理とかする警察の人。
殺人事件はもちろん専門じゃないんだけど、
部屋の中を調べたりする辺りはやっぱり警察官っぽく。
赤字使って捜査したりなんてことはありませんでした。
ノックス第3条。秘密の通路の存在を禁ず。
一応密室だったんだけど、チェーンも掛けていなく、鍵を持ってる人間なら犯行できる状況。
んでその鍵を持ってるのが例の二人、みたいな状況。
それ以外の人間が秘密の通路を使って犯行を行なった、みたいなことはありませんでした。
ノックス第4条。未知の薬物、及び、難解な科学装置の使用を禁ず。
妹は睡眠薬を飲んで眠った状態で、タイマーによって電気を流す装置で死亡。
自殺を誘発する薬だとか、部屋の外から操作できるような装置はありませんでした。
ノックス第5条。(欠番)
ノックス第6条。探偵方法に偶然と第六感の使用を禁ず。
実に科学的な捜査に基づいて、隣人に話を聞いたり部屋の様子を調べたりなど、
地道で確実な感じでした。
ノックス第7条。探偵が犯人であることを禁ず。
主人公はもちろん殺していませんでした。
確かにこれで主人公が犯人だったらちょっとアレかも。
ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ず。
ヒントは充分に提示されてたと思います。
でも最後の最後で、どっちが犯人なのかは想像つかなかった。
自分がちゃんと考えながら読んでなかったせいかもしれんけどww
友人がアダルトビデオに出演してて~のあたりはちょっと怪しいかも。
提示されてたかな?
ノックス第9条。観測者は自分の判断・解釈を主張することが許される。
妹は死んでると思ってたけど本当は生きてた、みたいなことはなく。
うみねこみたいにあやふやな表現も無く、とりあえず主人公が見たものは全部真実だったかな。
ノックス第10条。手掛かりなき他の登場人物への変装を禁ず。
変装自体ありませんでした。
とまぁこんな感じで、今回読んだこの本はノックスの十戒を見事にクリアしていました。
あー、8条だけちょっと引っかかったかな? また確認してみようと思います。
十戒をクリアしてるなら推理すれば犯人は導き出せそうだけど、
またこれがなかなか難しいですね。
他にも色々読んでみようと思います。